名古屋の羽毛布団リサイクルでできる3つのこと【捨てるなんてもったいない!】

2022.03.29

名古屋の羽毛布団リサイクルでできる3つのこと【捨てるなんてもったいない!】

使わなくなった羽毛布団をどんなふうに処分したらいいか、迷いますよね。とくに値段のはったものは、できればリサイクルできないかと考えます。けれども羽毛布団のリサイクルについては、よくわからない方も多いのではないでしょうか。

もし「わからないからごみとして捨ててしまおう」と考えているなら、それはちょっと待ってください。いろいろな意味でもったいないことをしようとしているかもしれません。

この記事では、

  • 名古屋市で羽毛布団をリサイクルする方法と条件
  • 羽毛布団のリサイクルをするだけで貢献できる3つのこと

をご紹介しています。読み終えるころには、羽毛についてより深く知り、今よりもっとリサイクルに積極的になっているはずです。

記事の監修は、1980年からリサイクル活動を続ける「認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会」、2003年から社会福祉事業を行う「社会福祉法人すぎな」、創業1891年の羽毛専業メーカー「河田フェザー株式会社」といった異業種3団体が立ち上げた「なごやハートステーションプロジェクト」がしています。

名古屋で羽毛布団をリサイクルするには?

名古屋市において羽毛布団は粗大ごみに分類されますが、名古屋市ホームページにもある通り、条件が合えば資源としてリサイクルできます。

条件や注意点について、確認していきましょう。

名古屋で羽毛布団をリサイクルできる?

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名古屋市で羽毛布団をリサイクルできる条件は、ダウンの比率が50%以上であること。これは羽毛布団本体の品質表示で確認できます。

条件に合えば、「中部リサイクル運動市民の会」、「ソーネおおぞね」、「社会福祉法人すぎな」で買取をおこなっていることが名古屋市のホームページにも紹介されています。

「中部リサイクル運動市民の会」は、市内のリサイクルステーションと「Re☆創庫」(熱田区など)で回収の受付をしています。リサイクルステーションは商業施設の駐車場などに設置されます。詳しいスケジュールや開催日時、場所はこちら(中部リサイクル運動市民の会ホームページ)で確認してください。

「ソーネおおぞね」では「ソーネしげん」(北区)を回収場所に、定休である火曜日以外の午前9時から午後6時まで受け付けています。

「社会福祉法人すぎな」は「作業所えがお」(港区)、「ヒュッゲおがわのもり」(港区)で回収しています。両施設とも午前9時から午後5時までの受付で、土曜日・日曜日・祝日は定休日です。

一方、ダウンの比率が50%に満たない羽毛布団はリサイクルできません

名古屋市で羽毛布団を粗大ごみとして廃棄する場合、収集には電話かインターネットでの申し込みが必要で、一般的な布団の回収費用は250円です。自分で処分場に持ち込むことも可能ですが、事前に区の環境事業所へ連絡する必要があります。こちらの費用は10kgまで200円となっています。

羽毛布団を30㎝角以下の大きさに切って可燃ごみとして出す方法もありますが、中の羽毛に含まれるダニやホコリなどが大量に舞ってしまうので、あまりオススメはできません。それらを吸い込むことによる健康被害も予想されるため、ほかの方法で処分するようにしてください。

名古屋で羽毛布団を回収している場所は?

羽毛布団をリサイクル資源として回収している場所はほかにもあります。

たとえば、大手スーパーの羽毛製品回収ボックスなどは身近で利用しやすいでしょう。こちらではダウンが50%以上使われていれば、ジャケットや寝袋など布団以外の羽毛製品もリサイクル資源として回収しています。

ほかにリサイクルショップに買い取ってもらうほか、フリマアプリやオークションで売る方法もありますが、厳しい買い取り条件や手間を考えると、金額に納得できるかどうかがネックになりそうです。

近くの羽毛製品の回収ボックス設置場所はこちらで検索できます。

なごやハートステーションで羽毛布団をリサイクルしよう

不要な羽毛布団や寝袋などの羽毛製品を1枚につき10円で買い取ってもらえて、ついでに社会貢献もできるリサイクル方法があったら、やってみたいと思いませんか。

名古屋市のなごやハートステーションでは、そんな取り組みをおこなっています。

名古屋で展開されている「なごやハートステーションプロジェクト」とは

2020年発足の「なごやハートステーションプロジェクト」は、障がい者福祉施設・環境NPO・羽毛製品メーカー等が連携して、 不用品のリユースや羽毛製品等のリサイクルの仕組みを拡げ、障がい者福祉と循環型社会づくりに貢献するプロジェクトです。

資源の回収をおこなうステーションは主に名古屋市内の障がい者福祉施設に設置されており、「なごやハートステーションプロジェクト」のロゴマークのステッカーが目印です。

2022年3月末の段階では、港区の「ヒュッゲおがわのもり」と「作業所えがお」、千種区の「Re☆ショップなかた by ぐるっぺ」に設置されています。

なごやハートステーションでできる3つのこと:地域貢献・環境保全・安定供給

なごやハートステーションで羽毛布団や羽毛製品をリサイクルすると、それだけで地域貢献、環境保全、安定供給に協力できます。

どういうことか、ひとつずつ見ていきましょう。

ノーマライゼーションと循環型社会を作る:地域貢献

「なごやハートステーションプロジェクト」は、障がいのある人も無い人も互いに支えあい、地域でいきいきと豊かに暮らしていける循環型社会の実現を目指して発足しました。

リサイクル・リユースでは回収場所として障がい者福祉施設を利用し、羽毛布団の解体の工程は障がいのある方がになっているのが特徴です。これを雇用につなげて、障がいのある方の自立や共生・共働を支えながら、地域全体がどんな人にとってもあたたかな場所になるよう活動しています。

そもそも「羽毛」って何?:環境保全

羽毛はハードケラチンというタンパク質でできており、1.0㎏の羽毛を燃やすと約1.8kgの二酸化炭素が発生します。資源として再利用すれば燃やさずにすみ、それだけ二酸化炭素の排出を抑えられるのです。

また羽毛の成分であるハードケラチンは、ヒトの髪の毛や爪、動物のツノ、ヒヅメ、クチバシなどの成分と同じで、柔らかいイメージとは裏腹に硬いタンパク質です。「羽毛は適正なメンテナンスで100年以上もつ」といわれるゆえんはここにあります。

二酸化炭素の排出を抑えて地球の温暖化を防ぐこと、長く使える資源をむだにしないことは、環境保全につながる行動といえるでしょう。

「羽毛」ってなんの羽?:安定供給

羽毛製品の羽毛とは、グース(ガチョウ)やダック(アヒル)など水鳥の羽毛を指します。

品質表示にあるダウンやフェザーというのは羽毛の種類で、生えている場所と形に違いがあるのです。フェザーは体を覆う軸がある羽根で、いわゆる羽根の形をしています。一方ダウンは、胸あたりに生えるタンポポの綿毛に似たボール状の芯がない羽根です。水鳥にしかなく、一羽からわずかしか取れません

素材としてのダウンは、「羽軸がない」「毛と毛が絡みにくい」といった二つの特徴があるため、非常に柔らかくふんだんに空気をためこみます。その保湿力と軽さがほかの素材と比べて突出しているので、中綿のダウン比率が高いほど品質の良い製品になるのです。ちなみに、フェザーは通気性や弾力性などを加えるために使われています。

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そもそも羽毛は食肉用の水鳥から得られる副産物という位置づけですが、水鳥の食肉消費量は減少傾向にあり、それにともなって羽毛の生産量も減少傾向にあります加えて、世界で猛威をふるう鳥インフルエンザによっても生産量は不安定になりがちといえるでしょう。それにもかかわらず羽毛の市場は拡大しているので、非倫理的な方法でダウンを大量に採取する生産農場があったり、羽毛をかさ増しするために人体に有害な薬品を多量に使ったグルーダウンが横行したり、羽毛を取り巻く問題はますます見過ごせないものとなっています。

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Green Down Project

このような背景から、原材料を輸入に頼っている日本で安心・安全な羽毛を安定的に供給するための「Green Down Project」が2014年に誕生しました。

回収したダウンをよりキレイな羽毛素材に精製し、再び市場に戻すこの羽毛リサイクルの取り組みは、多くの名だたるブランドやメーカーの賛同を得て、GREEN DOWNとして市場に広がりを見せています。

そして、なごやハートステーションで回収した羽毛布団や羽毛製品も、「Green Down Project」のGREEN DOWNとしてリサイクルされているのです。

なごやハートステーションでの羽毛布団の出し方

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なごやハートステーションでは、ダウン比率が50%以上あれば、羽毛布団・寝袋・ジャケット・ベストなどの羽毛製品すべてを回収しています。

布団カバーや収納袋からは出し、本体だけを透明または半透明のポリ袋に入れて出します。袋の口はしっかり縛りましょう。

羽毛製品の状態は、シミ・汚れ・破れがあっても受け付けています。解体して中の羽毛を取り出したあと工場でしっかり再生処理をするので、通常のいたみ具合であれば問題なくリサイクルできるからです。

また受け付けの際には、羽毛のリサイクルを促進するため1枚につき10円が支払われます。

なごやハートステーションでリサイクルした羽毛布団はどうなる?

実際のリサイクルの流れは、簡単にまとめると以下の通りです。

  1. なごやハートステーションで回収
  2. 「ヒュッゲおがわのもり」で解体して羽毛を取り出す
  3. 羽毛は河田フェザー株式会社に買い取られ工場に運ばれる
  4. 工場で不純物が取り除かれたGREEN DOWNに再生
  5. GREEN DOWNが製品に使われ販売される

リサイクル羽毛であるGREEN DOWNは、新毛より品質が劣るように感じられるかもしれません。けれども新毛の時とリサイクルの時と、除塵・洗浄・乾燥・選別を2回おこなうので、実は一般的な新毛よりもキレイになった羽毛といえます。見た目にも真っ白のGREEN DOWNは、JISよりも厳しい社内基準での羽毛清浄度検査を受けた羽毛で、客観的な数値によってもそのキレイさを保証されているのです。

実際にGREEN DOWNは多くの有名ブランドや一流メーカーの製品に使用されています。タグや品質表示に「GREEN DOWN」と書かれている商品も店頭に並んでいるので、羽毛製品を購入する際はぜひ確認してみてください。新毛よりもキレイなGREEN DOWNの製品を購入して、リサイクルの輪を広げていきましょう。

「Green Down Project」の参加企業・団体はこちらで確認できます。

羽毛布団のリサイクルでできる3つのこと まとめ

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地域貢献・環境保全・安定供給の3つは、言葉としては難しい印象もありますが、羽毛布団を資源として提供するだけでささやかながらも確実に協力できます。

ですから不要な羽毛布団や羽毛製品があれば、今回紹介したどのやり方でもいいので、リサイクルを検討してみましょう。その際は、なごやハートステーションも候補のひとつとしてぜひ加えてください。名古屋以外の地域の方も、「Green Down Project」は全国に広がる活動ですので、近くの参加企業・店舗で羽毛製品をリサイクルしてみませんか。

また、新しい羽毛製品を買う時には、できる限りリサイクルを意識しましょう。ダウン比率50%以上のものを選ぶようにすれば、持続可能な社会の実現にも貢献できるはずです。

羽毛は貴重な資源。これからも安心して安全な羽毛製品を使い続けられるように、一人ひとりが協力していきましょう。

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このウェブサイトは、2020年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて作成しました。